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生產性向上製品 環境対応技術

productivity products and environmental sustainability technology

生産性向上製品「モルピカ」
環境対応技術「AWBバインダー」
AWBプロセス
「はじめに」

大木産業株式会社はドイツエッセン大学で開発された「無機バインダー・造型法」の技術、及び特許をアジア圏で継承し、その高い環境性能と生産性を活かすノウハウを日々追及しております。AWBプロセスは、従来の有機系と比較し、臭気面・ガス発生面・製造時のエネルギー消費量等で高い性能を発揮します。
無機プロセスは以前より注目されておりましたが、昨今はより重要度が高まっております。
当社はバインダーのみの提供だけでなく砂の再生含めた各工程において「従来の有機から新AWBプロセスへの切り替え」をサポートいたします。

AWB中子鋳造
部品

AWB中子から製造された鋳造品事例

AWB中子から製造された中子事例

エンジンプロック用水冷 ジャケット aluminium, 6 kg
ブレーキディスク grey iron, 4.5 kg
吸気マニフォールド aluminium, 1.8 kg
シリンダーヘッド用
水冷ジャケット
aluminium, 1.2 kg
シリンダーヘッド用オイル
ギャラリー
aluminium, 1.4 kg
デファレンシャルハウジング grey iron, approx. 800 g
給水栓 brass, 500 g
環境メリット・
脱炭素効果

AWBの優位性

従来の有機バインダーは、中子製造時、注湯時に特有の異臭(レジンの焼ける臭い 等)を発生させていましたが、新AWB は、昨今注目の環境対策「臭気対策・ガス発生 対策・省エネ対策 等」の実現が可能なプロセスです。

特徴1 :環境面

・臭気の発生がない

⇒ 中子や鋳型の製造時、及び注湯時の臭気・異臭の発生が無くなります。

・有害成分のガス発生がない

⇒ ピンホール不良等の欠陥を抑制します。

・鋳型造型時の省エネルギーを実現
⇒ 鋳型・中子造型時の金型温度は100~150°Cと、有機系よりも低い温度域での設定 が可能となります。

【参考情報1 注湯時、ガス発生の比較データ】

・比較試料 / 新AWB 中子(無機) ・ 既存のコールドボックス 中子(有機)

・ガス発生の単位基準
⇒ 新AWB :10 ppm
⇒ コールドボックス :1000 ppm
(イメージ)
・新AWB
・コールドボックス
【参考情報2 注湯時、ガス発生の状態】

・比較試料 / 新AWB 鋳型(無機) ・ シェル 鋳型(有機)

(イメージ)
・新AWB
・シェル

特徴2 :ランニングコスト面

・臭気、ガス対策を目的とした設備投資を低減

⇒ 臭気や有害ガスの発生が全くない為、周辺環境を配慮した設備投資の必要性が極限まで下げることができます。

・金型清掃の簡素化を実現

⇒ 有機成分を含有しないプロセスの為、金型にヤニ等の不純物質の付着がほとんど無いので、金型清掃の簡素化を実現できます。

・鋳造製品の薄肉化が可能

⇒ 水栓金具での実例となりますが、ガス発生・ピンホール部分を考慮する必要性が無くなる為、鋳造部品によって薄肉化も可能となります。

【参考情報3 金型の状態】
・比較試料 / 新AWB中子(無機) ・ シェル中子(有機)
(イメージ)

特徴3 :技術面

・バインダーの低添加を実現

⇒ 一般的な中子・鋳型強度の発現に必要なバインダー添加量を最小限に抑えます。これによって、注湯後の中子砂の崩壊性、再生性が飛躍的に向上します。

・金型設計の自由度が向上

⇒ 従来の有機系は、どうしてもガス発生を考慮した設計に縛られてしまいますが、AWBの場合は設計の自由度が非常に高くなります。これによって、従来では実行不可能だった新設計が構築できます。自動車部品に関しては、燃費向上、出力向上等の実例があります。

・砂のリサイクルが可能

⇒ 砂の再生面においても高い性能を発揮します。
当社が保有する砂再生の特許技術(水洗方法)に基づき、
環境に配慮した方式で再生処理を行うことが可能です。

技術情報

AWBバインダーは、日々の研究から無機バインダーの仕様や組成を改善・改良させ、日本の鋳造メーカーにより適合した品質を実現・追及しております。
従来では実現できなかったバインダーの「低添加」を可能にし、造型物(中子・鋳 型)の崩壊性・再生性を大幅に向上させ、又、強度の標準偏差値の縮小を図りました。

  • ・従来品の添加量(重量比)
    • A液⇒ 0.1%
    • B液 ⇒ 1~2%
    • C液 ⇒ 0.8%
  • ・AWBの添加量(重量比)
    • A液⇒ 0%
    • (必要に応じて添加は可能)
    • B液 ⇒ 0.8%~
    • C液 ⇒ 0.8%~
※人口砂での参考添加量です。
無機バインダー

新AWBプロセス 技術情報

【技術情報】 AWB 技術情報

AWB 技術情報 プレゼンテーション(PDF)

【AWB技術】研究開発

【AWB技術】環境対応技術(Alternative Warmbox process)

バインダー添加量をご提案

各鋳造メーカー様の状況にあわせた「バインダー添加量」を提案させて頂きます。骨材、必要強度等に適した条件を当 社試験機関で検証します。
(イメージ)
ご使用、又はご希望の骨材にあわせて、最適な条件設定値を当社の研究ラボで検証いたします。混錬砂の作製、テスト ピースの造型、 抗折力試験、SEM分析等の一連を フォローいたします。
(補足)
測定参考例: バインダーの適正添加量、TP造型性、抗 折力、抗折力の標準偏差、TP重要、TP重 量の標準偏差、バイン ダーの接合部観察、 等
(イメージ)

AWBバインダー使用例

  1. 抗析力試験(平均値):約400~500N/cm2 前後
  2. 標準偏差:約20~30 前後
(イメージ)

一粒子を観測

造型物のバインダーブリッジ(接合部)状態を骨材の種類ごとに把握します。
骨材の種類、粒形、粒度によって、バインダーの付着条件は大きく変化します。当社は、各骨材の粒子間に着目し、低添加量でも適正なバインダーブリッジを形成できる仕様・条件を日々追及しています。
1)バインダーの粒子にも着目
バインダーブリッジを形成させる最適な粒子径を選定しております。(平均値):約400~500N/cm² 前後
(イメージ)
2)骨材間のブリッジ・接合状態から最適解を追及します。
(イメージ)
生産性向上製品
モルピカ
洗浄プロセス
「はじめに」

金型品質の安定化、省人化対応、生産性向上システム

モルピカは、アルミダイカスト鋳造等の金型に溶着した不純物(アルミ、黒鉛、その他)を溶解除去できる洗浄剤です。

又、製品の品質に大きく左右する「金型」を傷つけることなく、各工程で不純物を除去したい、という鋳造メーカーのご要望にも応えるべく、モルピカと併せて活用可能な付帯装置も開発・販売しております。

モルピカは弊社グループ拠点で現地生産、販売

日本市場 :大木産業(株) タイ市場 :OKI MATERIAL (THAILAND) CO.,LTD. インドネシア市場:PT.OHKI INDONESIA

日本市場における、人材不足・技術継承問題、及びEV関連製品の品質厳格化への対応策や、海外市場における、金型品質の安定化に関するお悩みをモルピカ洗浄プロセスにてフォローいたします。

各鋳造工場の現場にあった活用方法をご提案させて頂きます。
(事例)金型保全場での浸漬洗浄
オンライン上での洗浄
付帯装置を活用した洗浄力向上
自動化含めた、洗浄ラインの構想・構築

生産性向上
技術
【洗浄事例】 アルミダイカスト鋳造

※ 金型の溶損状態、溶着アルミの厚み・状態によって洗浄時間へ変動します。

(イメージ)
【洗浄事例】 アルミダイカスト鋳造

モルピカ + 付帯装置 「超音波洗浄機」 + 加温(40°C)

(イメージ)
【洗浄事例】 マシニングクーラントのフィルター

洗浄時間を5分に設定し、各洗浄剤の性能比較は以下です。

① モルピカ + 超音波洗浄
② 水 + 超音波洗浄
③ アルコール溶剤 + 超音波洗浄
【洗浄事例】 金型に塗布した塗型剤

金型に塗布された塗型剤への除去性能は以下です。※ 塗型剤の種類、付着状態によって洗浄時間は変動します。

① モルピカ + 超音波洗浄
【洗浄事例】 金型に付着したレジン(ヤニ)

有機レジン、ヤニの汚れ除去性能は以下です。※ 不純物の付着状態によって洗浄時間は変動します。

(イメージ)
【洗浄事例】 油・ワニスの場合

※ 不純物の付着状態によって洗浄時間は変動します。

(イメージ)
鋳造した際に
起こる現象

アルミダイカスト、グラビティ等の金型鋳造を行った場合は、金属(アルミや亜鉛)や 炭化物の溶着が起こってしまいま す。これら不純物が溶着した状態で鋳造していくと、様々な問題を引き起こし、製品に悪影響を及ぼします。
※金型に溶着した不純物は、可能な限り除去する必要があります

「不純物が溶着していると、不良に繋がる・・・」

  1. 製品のカジリ、酸化アルミの巻き込み不良
  2. 製品形状に悪影響(歪み、割れ 等)
  3. 補修溶接、再窒化処理時に悪影響
    ⇒ 不純物が邪魔をしてしまい、適正な処理が行われない
    ※上記問題をなくす為には、溶着した不純物の適切な除去が必要です。
不純物の除去方法

金型に溶着した不純物は以下方法で除去しますが、やり方によっては母材を傷つけてしまう危険性が ありますので、正しいメンテナンスが必要となります。

1) モルピカ洗浄プロセスによる溶解除去
⇒ モルピカ (洗浄液)によって、金型に溶着した不純物(アルミ等)を簡単に除去することができます。 ⇒ メンテナンス作業者の磨き技術を必要としない為、金型品質の安定化が図れます。 ※金型の品質維持、長寿命化、生産性向上によるコスト改善が可能になります。
2) 磨き(研磨)除去 ⇒ 従来のメンテナンス方法
⇒ 不純物(アルミ等)をリューターやヤスリなどで物理的に除去する方法です。 ⇒ 作業者の磨き技術が必要とされ、金型品質の変動要因に繋がりやすい傾向があります。 ※ 金型が摩耗し、製品形状や寸法等に悪影響を及ぼす懸念点があります。
① 用途
アルミダイカスト等の「鋳造金型」や「押しピン」、また「周辺設備」に溶着した不純物を溶解させることで、簡単に除去・洗浄します。尚、モルピカは脱脂力も非常に高いことから、アルミダイカスト鋳造以外の業種でも使用できます。
※母材や表面コーテイング層を傷つけない為、誰でもメンテナンスが可能となります。
② 洗浄可能な不純物の種類
  1. アルミニウム、亜鉛等の両性金属
  2. 離型剤カスの堆積物質
  3. 黒鉛の堆積物質
  4. レジン等のヤニ成分
③ 洗浄方法
  1. 浸漬洗浄
    モルピカ液中に金型等の洗浄ワークをに浸漬させる洗浄方法。 ⇒ 洗浄効果が一番高く、超音波洗浄機等の付帯装置を活用することで、洗浄力を大幅に向上させることが可能です。
  2. オンライン洗浄
    ライン稼働時における洗浄方法。 ⇒ チョコ停時などの応急メンテナンス対応として、機上での洗浄方法を新たに構築しました。
  3. ASSY洗浄
    金型を分解しない洗浄方法 詳細情報は近日公開。
【特徴】
モルピカに不純物を漬けることで、洗浄ワーク(金型、ピン等)を傷つけることなく
綺麗に洗浄することが可能です。
【モルピカ洗浄の効果】
  1. 金型の摩耗や変形がない
  2. 細部に侵食した不純物も除去
  3. 金型等、洗浄ワークの長寿命化
  4. カジリ不良等の低減によるコスト改善
  5. ライン稼働時のチョコ停低減による生産性向上
  6. 省人化が可能、又、作業者の技術差に影響しない(人による品質変動が少ない)
【洗浄事例】 オンライン洗浄
(イメージ)
< 近日公開予定 >
【洗浄事例】 ASSY(未分解)洗浄
(イメージ)
< 近日公開予定 >
洗浄メカニズム ・ 化学反応式 モルピカ のアルカリ成分(OH -)により、不純物に含まれるアルミニウム(Al)や亜鉛(Zn)の溶解反応は 以下です。
「化学式」
2Al + 10H2O + 2OH- → 2[Al(OH)4(H2O)2]- + 3H2
>Zn + 2OH− + 2H2O → [Zn(OH)4]2- + H2
参考 2Al(OH)3+2NaOH+H2O (水酸化アルミ) 2Al(OH)3+2KOH+H2O (水酸化カリウム)
※ モルピカに含まれる薬品の浸透性を高める成分によって、金型等の洗浄ワークに溶着した不純物の除去性を高めています。また、高い脱脂性も有しているため、不純物除去時に残った溶解残渣の洗浄も行うことができます。
洗浄ワークに溶着した不純物(アルミ等)に、モルピカのアルカリ成分がアタックすることで不純物の溶解除去が始まります。さらに有効成分Aが不純物の隙間に浸透し、洗浄効果を促進します。
(イメージ)
有効成分Aが浸透することで深部の溶解および、剥離を促進させ、洗浄ワークから不純物を除去します。 また、溶解残渣は有効成分Bによって除去します。
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最後に洗浄ワークを水洗(洗浄)にて、薬品成分などを洗い流し、その後は防錆剤を塗布することを推奨します。
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成分、及び注意事項

  1. 成分、取扱い
    ・ 普通物(非劇物)
    普通物品となりますが、苛性カリ、苛性ソーダを含有しておりますので、使用時は耐薬品用の保護服・手袋・眼鏡を着用をお願いいたします。又、飲み込んだり、直接 眼・皮膚等に触れないよう適切にお取扱いください。

    ⇒ 詳細な情報はSDSをご参照お願いいたします。
  2. 保管場所
    ・ 着火源がなく、局所排気装置を設けて充分な換気を行ってください。モルピカは非引火性ですが、念のため、細心の ご注意を払って頂きますようお願い申し上げます。
    ・ 直射日光に触れない冷暗所に保管し、密閉して空気との接触を避けて保管してください。
    ⇒ 詳細な情報はSDSをご参照お願いいたします。
磨き(研磨)処理
について

磨き処理では、洗浄ワークから不純物を完全除去することが難しいとされています。

方法① 不純物を数ミリ単位で残す
⇒ 不純物が若干残っている為、再び不純物が溶着しやすく、製品形状等へ悪影響。
方法② 洗浄ワークの表面層を削って、不純物を除去

⇒ 表面コーティング層が剥がれ、尚且つ、洗浄ワークの表面層に凹凸ができることで、不純物が溶着しやすくなってしまう。

→ 上記方法はどちらも鋳造製品の品質を不安定にする懸念があります。
「金型・ピン等の洗浄ワークに悪影響」
  1. 洗浄ワーク形状の変形、寸法NG
  2. 表面コーティング層(表面処理=窒化処理等)の剥がれ、摩耗
  3. 洗浄ワークへのダメージ(摩耗) 等
⇒ 傷、溶損、表面処理が剥がれることで不純物の溶着をますます進行させてしまいます。
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【研磨処理後の事例】 磨き(研磨)処理
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磨き処理後(3000ショット後)の押しピンをSEM画像で観察すると、無数の傷や溶着アルミが残存してしまい、金型の品質低下、カジリ不良等に繋がりやすいことがわかります。 金型、及び鋳造製品の品質を安定させる為には、磨き処理⇒モルピカ洗浄への移行を推奨しております。
【洗浄性能、品質管理システム】
(イメージ)
< 近日公開予定 >
洗浄プロセスの
関連情報

アルミ製品の市場性

環境対応車(電動車)等、今後の脱炭素社会にとって、アルミ製品は必要不可欠な材料であり、将来も増加していく傾向が強くなることが想定されます。 製品の高強度、軽量化等に向けて製品精度はより厳格化される可能性があります。

参考情報1)アルミ市場の可能性、将来性

⇒ 2050年計画、アルミ需要予測(日本アルミニウム協会出典の情報)
(イメージ)

参考情報2 EV・電動車の生産傾向について

(例)テスラ社のビジョン
1.テスラのギガ・アルミ・ダイカスティング
テスラの新しい車体戦略~軽量化を進める世界最大の鋳造技術~ | EVsmartブログ
※ ギガ参照:メモリーの容量 Kbyte, Mbyte(Megabyte), Gbyte(Gigabyte)
『アンダーボディ(underbody) 後部』を【一つの部品】として加工』
① 世界最大のアルミダイカスト・マシーンに投資 イタリアのIDRAグループ製
『ギガプレス』 大きさ:(L)19.5m×(H)5.3m カリフォルニア工場と上海工場に設置
②自動車産業の目指す技術
・ 軽量化=アルミニウム
・ 接合部無し=一体化
部品と部品をつなぐ溶接,ネジ留め等を無くす。
接合部があると、a.重くなる,b.部品の精度が落ちる,c.工数が掛かる(コストが上がる)
※ 複数の部品を接合したり組立てたりする場合には、各部品の「基準面」を決め、「公差」を管理して、接合・組立後のユニットの精度を管理しなければならない。しかし、それを一体化すると【一つの部品】の基準面と公差を管理すれば良くなる。

参考情報3 電動車等、アルミ製品の活用事例